『チェルノブイリ1986』@新宿ピカデリー(22/05/17(tue)鑑賞)
本日の映画3本目『チェルノブイリ1986』@新宿ピカデリーに劇場入りしました。タイトル通り、チェルノブイリ原発事故の映画。ただし、ロシア映画なので、まあそっち寄りのプロパガンダ映画なんだろうなと思いつつ、監督は『ハードコア』の人なのね。何にせよ、無事公開にこぎつけて良かった。#fr22_n pic.twitter.com/zvN4VD3ceR
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月17日
『チェルノブイリ1986』観終わりました。原発事故全体のお話というより、原子炉直下のプールの水を抜かないとメルトダウンした時に水蒸気爆発起こして全ヨーロッパが汚染されるので、バルブを開きにいった決死隊の消防士のお話。どこまで実話か不明ですけど、思ったよりプロパガンダ臭薄め。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月17日
『チェルノブイリ1986』:1986年4月、当時ソ連領だったウクライナのチェルノブイリ(チョルノービリ)で原発事故が発生。原子炉が破損し、やがて炉心溶融(メルトダウン)に至るが、そうなると原子炉直下の圧力抑制プール内の大量の水が炉心と接触して水蒸気爆発を起こす。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月19日
『チェルノブイリ1986』:水蒸気爆発が発生すれば、原子炉建屋全体が吹っ飛び、ウクライナ全土どころか欧州全体に放射能汚染を撒き散らす。それを避けるために、圧力抑制プールのバルブを開いて水を抜く必要がある。高い放射能に汚染され、高温の水で水没している経路を通って……というお話。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:80年代後半のソ連なので、ロボットとか当然なく(2011年の福島第一事故でも高放射線下で稼働するロボットはなかった)、現地状況の判ってる人間を送り込んで作業させる他はない。生還の期し難い決死隊であり、失敗したら成功するまで次の部隊が送り込まれる。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:本来なら替えの効かない高度技術者を使い捨て、という地獄。まあ、これとは別に、爆発で口を開けた原子炉上では、兵隊さんが減速材の鉛を手作業で放り込むという、これまた地獄絵図としか言いようのない話が展開しているのだけど、この映画は原子炉の下のプールの話。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:この圧力抑制プールの水抜き作業は実際にあった出来事ではあるものの、登場人物の設定とかはこの映画オリジナルのようです。主人公は原子炉消防隊の元隊長で、事故直前に転属が決まっていたものの、目の前で事故が起きれば駆けつけるのが火消し屋魂。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:現場に向かう消防車に飛び乗って現地に到着してみれば、原子炉近くで消火活動に当たっていた元の同僚たちは、放射能障害でほぼ全滅状態。崩壊する原子炉建屋に飛び込んで彼らを救出するが、その後、病院に収容された彼は、対策本部に召喚される。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:そこで「やってくれ」と提示されたのが、先のプールの水抜き作業。やる前から、生還どころか、命懸けでも現場にたどり着けるのかも覚束ない作業方法しか出てこない。主人公は既に転属命令を受けていることを理由に一旦は逃げる。火消し屋魂といっても限度はあらあな。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:ただ、事故の直前に、主人公は10年前に別れた元カノと再開し、しかも彼女が自分の子供を産んでたことを知る。まあ、彼女からは「今更、父親面されても困る」と塩対応なんですが。その子供が、事故直後に現場近くにいたことで、放射能障害を発症している。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:結局、散々悩んだ末、その子がスイスで高度治療を受けられることを条件に、任務を引き受け、主人公は死地へと赴くことに…と、自己犠牲的な話ではあるものの、主人公の動機はあくまで家族のためであって、愛国心とか郷土愛的な理由では描かれていません。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:この主人公のきっぷのいい消防士アレクセイを演じているのは、主演で監督、制作にも名を連ねているダニーラ・コズロフスキー。航空パニック映画『フライト・クルー(2016)』とかFPS的な一人称視点アクション『ハードコア(2016)』に出演した俳優さんですね。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:このダニーラ・コズロフスキー監督は、今回のウクライナ戦争についても反戦的メッセージを出したり、プロデューサーはウクライナ人でロシア当局から睨まれてたりと、決して体制翼賛的な作品ではないと、公式HP上で配給会社からの一文が掲載されています。#fr22_n
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『チェルノブイリ1986』:実際に映画を観てみると、住民退避より国際的な面子を優先する中央政府の姿勢を批判的に描写したり、事故原因を人災と断言(実際に中央からの指示で、無茶な原子炉燃焼テストをやっててしくじったのが原因)したりしています。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月19日
『チェルノブイリ1986』:逆に言うと、声高にモスクワを責めたり、地元のウクライナ人としての視点や怒りなどは慎重に避けられてもいて、結構、際どいバランスで成立している印象。どっち向きにもプロパガンダ的になりたくなくて、個人の物語に集中しようとしている感もあります。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月19日
『チェルノブイリ1986』:ウクライナ視点だと、今日の戦争に繋がる祖国受難の重要エピソードのひとつでしょうし、それを抜きに語るのは、それこそ「文化・歴史の盗用」と見做されるかもしれません。しかしまあ、ロシア側から描くとすれば、これが精一杯だったのかな。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月19日
『チェルノブイリ1986』:ロシア国内は今、ご存知の有り様で、今後どうなっちゃうのか判らないんですが、開戦直前までのロシア映画界は、先に観た『親愛なる同志たちへ』みたいに、権威主義に批判的な民主派映画人の活躍が根付きつつあったのも事実です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月19日
『チェルノブイリ1986』:今まさに戦火の中にあるウクライナの映画人も、反戦の志を秘めながら息をひそめているロシアの映画人も、この動乱の時代を無事にくぐり抜けて、いつか共に手を携えて映画を撮れる日が来ますように。遠い異国の地からただそのことを祈りつつ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月19日