『ビギル 勝利のホイッスル』@新宿ピカデリー(20/09/27(sun)鑑賞)
映画『ビギル 勝利のホイッスル』「インディアンムービーウィーク2020」本編映像
日本初公開のインド映画10作品「インディアンムービーウィーク2020」予告編
imwjapan.com監督:アトリ
主演:ヴィジャイ/ナヤンターラ/ヨーギ・バーブ/ジャッキー・シュロフ
2019年/インド/タミル語/177分
原題:BIGIL
本日の映画『ビギル 勝利のホイッスル』@新宿ピカデリーに劇場入りしました。IMW2020の2本目。元花形サッカー選手が、女子サッカー州代表の監督になって全国大会を目指すというスポ根ものだそうで。インド映画は女子スポーツものがちょいちょいあるんですよねー。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『ビギル 勝利のホイッスル』観終わりました。客を確実に呼べるのは、スタア俳優によるマッチョ・アクションだから入口はその立て付けだけど、本音でやりたいのは女子スポーツのエンパワメントなので、後半それをやるといういつものインド流悪魔合体映画(^^;; まあでも、ちゃんと面白いし。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『ビギル 勝利のホイッスル』:チェンナイのスラム街で地域住民にも慕われるヤクザの親分マイケルは、実はインドのナショナルチームの主将候補にも目されたサッカー選手だったが、卑劣な大会委員長との確執により選手生命を断念。しかし、地元の女子サッカーチームを密かに支援していた。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『ビギル 勝利のホイッスル』:だが、大会前に対立組織との抗争に友人でもあるチームの監督が捲き込まれて負傷。代わりにマイケル自身が監督に就任し、チームを率いることに。しかし、急な監督交代に不審感を募らせる選手たち。またチーム強化の補強も急務だ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『ビギル 勝利のホイッスル』:今回の大会委員長も務める因縁の委員からの執拗にして卑劣な妨害を撃破し、インドの女性事情特有の事情で引退に追い込まれて有力選手を復帰させ、女子サッカー・タミル代表チームは全国大会優勝を目指す!というお話。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『ビギル 勝利のホイッスル』:まあ、あらすじでまとめるとそういうお話で、邦画だと『任侠女子サッカー』とかいうタイトルにでもなるのかな。でも、邦画ならもっと任侠カルチャーを茶化す描写が入ってくるだろうし、組長の主人公のチートな無双アクションはコンプライアンス的に許されない。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『ビギル 勝利のホイッスル』:というか、男性スタアのチートな無双アクションと女子スポーツを通じた女性のエンパワメントなんて、方向性真逆に見えるし、映画としての軸がブレるから日本だと「やるな」と言われるんだろうけど、インド映画は気にせずやっちゃうんだよねえ(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『ビギル 勝利のホイッスル』:ただ、別の見方をすると、作中でも描かれているように女子スポーツや女性の自己実現をインド社会で目指す時、過酷な現実を打ち破れるのはスーパースタアの演じるチート無双ヒーローでもないと難しい、という現実認知の裏返しでもあるのでしょう。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『ビギル 勝利のホイッスル』:その意味で言うと、政治腐敗や差別などの過酷な現実認知の主題をチートな無双アクションでくるんで、観客への啓蒙を訴えかける結論に導く、というインド映画が得意とするフォーマットと言えなくもない。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『ビギル 勝利のホイッスル』:ハリウッド映画なんかも、その時々の新しい社会課題をコンパクトにまとめる新書ジャーナリズム的機能を映画に託すきらいがあるけど、それのインド映画版なのかな。インドの観客は、こういう映画を観て、社会問題を学んでいるのでしょう。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年9月27日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』@シネマート新宿
本日の映画『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』@シネマート新宿に劇場入りしました。2018年に実際に中国に起きた航空機事故で、高度1万メートルで発生したインシデントから乗客を無事守って地上に帰還した機長の活躍を描くお話だそうですが、さて。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月6日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』観終わりました。実話ベースで関係各機関の協力有りきの企画なためか、出てくるプロが全員失敗もしなければ足も引っ張らないので、金のかかったOJT動画感はある(^^;; でも中国民間航空業界ものとしては非常に良く出来てて面白い。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月6日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:離陸前に機長が幼い娘に「行ってきます」と言って家を出て、事件の1年後にクルーが同窓会するまでの話なんですが、離陸前のクルーや空港関係者の準備やチェックがテキパキと進むのは、お仕事映画大好きっ子は大喜び(^^) #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月6日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:事件は重慶発チベット自治区ラサ行きの双発ジェット旅客機がチベット山脈越えの上空1万メートルでコックピットのガラスが砕け散り、氷点下30度で低酸素の大気が雪崩れ込んで、事実上の通信不能の状態に陥りながら生還した実話。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月6日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:そもそも何でコックピットのガラスが割れたのか、については本編中では言及はないので、整備不良で微細クラック見逃したのか、製造工程に問題があったのか、そこんとこはよく判らない。まあそこは事故調の映画ではないので。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月6日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:高度1万メートルで事故(インシデント)発生からの、クルーの対応とか、関係各機関の反応とかが懇切丁寧に、しかしスピード感を持って流れるように展開する下りは、民間航空事故ファン(なんだそれは(^^;;)には堪らないものがあります。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:それもそのはず、監督は『インファナルアフェア』のアンドリュー・ラウ! この人、こんなところで何やってんの? 才能の無駄づ…あ、いや(^^;; ドラマが薄い割にシーンやカットの繋ぎだけでそこそこ魅せてしまうのは、さすがというか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:例えば、この事件で民間航空・軍それぞれの航空管制機関の果たした役割は大きいと思うんだけど、実際に目に見える形では管制官が通信不能の事故機に呼びかけてるだけだから、絵にならないんだよね(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:それを不安げな管制官の仕草とか立ち上がったり座ったり、後ろをスタッフが通り過ぎたり、ありとあらゆる手段を用いて緊張感を高めてゆく手腕は、さすが香港映画のベテラン監督。つくづくこんなとこで何やってるんだと(もういい)。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:飛行シーンは概ねCGなんですが、ちょいちょいVR的に数値情報とか機体番号を重ねてみたり、チベット山脈の上にどっかりと居座って壁の様に立ちはだかる低気圧の雲海とか、そこに突っ込んでく絶望感とか、非常に良かったですね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:状況は想像を絶する過酷さなんだけど、出てくるプロは高い職業倫理と弛(たゆ)むことなき訓練と揺るぎない実践経験に裏打ちされて、人智の限りを尽くして危機に立ち向かってゆく……邦画でいうと『シン・ゴジラ』的な魅力というか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:同時に『シン・ゴジラ』に微妙に感じていたのと同じ違和感が、この映画を観ていると何となく見えてくるものがあって、「整いすぎていることの気持ち悪さ」というか、あんまり真面目に観ちゃっていいのかなあ、という気にもなる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:事故機は重慶発チベット・ラサ行きで、観光旅行目的の漢人も里帰りのチベット人も乗っている。乗合バス的な庶民の足であり、中原政権の辺境支配のラストワンマイルを支える馬車馬(ワークホース)ですよ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:五族共和的な機内の賑わいと、それを支える名もなきプロの層の厚みを中原政府の自負として屈託なく描く映画で、それに素直に乗ってもいいんですが、その屈託のなさへの居心地の悪さが、外国人としては残っちゃうよねえ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:まあ、邦画で北海道行きの旅客便に、これみよがしに出稼ぎ帰りのアイヌのお父さんとか、元陸自のお爺さんとか乗ってても別に今の日本人は違和感持たないだろうから、よその国の事をとやかく言う資格があるのかどうか判らんけども。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
『フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話』:ともあれ、中国民間航空業界を巡る中の人(民間航空関係者)、外の人(軍・政府関係)、おまけのその周辺(航空オタクwやらSNSで事件を見守る市民やら)を包括的に描く映画として、非常に興味深く、かつ娯楽映画としてよくできた映画でした。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月4日
■監督フィルモグラフィ:アンドリュー・ラウ(1960年~)
『権力に告ぐ』@シネマート新宿(20/10/10(sat)鑑賞)
本日の映画2本目『権力に告ぐ』@シネマート新宿に劇場入りしました。地方検事が権力腐敗に挑む、こちらはガチガチのガチな男たちのマウンティング地獄な韓国映画、らしいですが、さて(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月10日
『権力に告ぐ』観終わりました。2011年に大韓銀行が米ローンスター銀行に買収されたのだけど、それが不当に安かったのではないか、という疑惑が当時からあって韓国国内では反対も多かった。その映画。……なんだけど、作中では腐敗があったと断言してるな、実際には逮捕者いないんだけど(爆 #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月10日
『権力に告ぐ』:ソウル地検で無茶なゴリ押し捜査で通称「ゴリ検」と呼ばれる主人公が、当て逃げで逮捕した女性を送検して釈放したら自殺され、遺書で主人公が取調べ中にセクハラしたと書き遺していたことが判明。停職1ヶ月が命じられたが、ぶち切れて勝手に捜査を始める(爆 #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月10日
『権力に告ぐ』:調べてみると、その女性は大韓銀行の職員で、付き合っていた金融庁の役人の彼氏は先に「事故死」していた。しかもふたりとも大検察庁特捜部の聴取対象だった。度重なる上層部からの捜査妨害で遅々として進まない特捜部の捜査をよそに、主人公はブルドーザーのように突き進む。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月10日
『権力に告ぐ』:判りやすく説明すると、所轄のヒラ刑事が警視庁捜査2課肝煎りの捜査班の捜査に勝手に首突っ込んでくるようなもので、まあ滅茶苦茶な話なんだけど(^^;;、それくらいパワフルな主人公でないと、現実にどうにもならなかった権力犯罪の告発なんかできないってことかな。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月10日
『権力に告ぐ』:確かに陰うつで、延々と資料をひっくり返して矛盾点を探してゆく金融犯罪、それも史実として検察もメディアも追及しきれなかった金融疑獄をエンタメに昇華するには、このくらい虚構性の高い主人公を設定しないと苦しいのは確か。これがインド映画だとチートヒーローになる(爆 #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月10日
『権力に告ぐ』:主人公の捜査スタイルは猪突猛進で、停職中だろうと何だろうと思い立ったら大物政治家にも直当たり、礼状なしの盗聴も已むなし、特捜部から捜査資料もちょろまかすという無茶苦茶さだけど、それが疑惑の闇を切り拓く。まあ、ラス前にバレて窮地にも追い詰められるけど(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月10日
『権力に告ぐ』:実在の事件、社会状況、登場人物(名前くらい変えてるだろうけど)で、まあ疑惑は残るけどどうすることもできず、どうにもならなかった話を娯楽映画に落とし込む。別な言い方をすれば、過酷な現実認知から目を逸らさず、しかし絶望するなと観客を鼓舞するにはどうすればいいか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月2日
『権力に告ぐ』:終盤、観客と主人公が希望を託した人々が次々に裏切って、現実と同じ結末へと雪崩れ込んでゆく。快男児たる主人公にもどうにもならない。しかし……しかし、観客の期待を裏切らないこの主人公の最後の行動で、観客は一抹の希望を得る。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月2日
『権力に告ぐ』:こういう快男児が現実にいてくれれば、あるいは汚濁にまみれた現実を変えられるのかも。いや、この映画を観ている観客の心に、主人公のように甘言を退け、正義を貫く勇気があれば、あるいは。そう思わせることに、権力犯罪を娯楽映画として描く最大の意義がここにある。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月2日
『権力に告ぐ』:その意味で、非常によく出来た権力犯罪映画です。チートヒーローが現れて悪を一掃するインド映画のそれとはまた違った解答がここにある。邦画にも「娯楽映画」としてちゃんと向き合うことから、現実の権力犯罪と対峙する映画を撮ってほしいんですけどね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月2日
■監督フィルモグラフィ:チョン・ジヨン(1946年~)
『ストレイ・ドッグ』@kino cinéma 立川高島屋S.C.館(20/10/24(sat)鑑賞)
Netflix | ストレイ・ドッグ
https://www.netflix.com/title/80219088
本日の映画1本目『ストレイ・ドッグ』@kino cinéma 立川高島屋S.C.館に劇場入りしました。ニコール・キッドマンがヤサグレた女刑事として、過去の因縁と対峙するどベタなアメリカン・ハードボイルド。男主人公ならクラシックなスタイルだけど、それを女主人公でどうなるかですが、さて。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月24日
『ストレイ・ドッグ』観終わりました。17年前、潜入捜査で捕らえ損なった凶悪犯の帰還を知った女刑事の主人公は、指揮系統から逸脱して、単独で執念深く彼を追い始める……まあ、あらすじを表層部分でまとめるとそういう話なんだけど、実際にはかなり「業」が深くてビターテイストで素敵(^^) #fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月24日
『ストレイ・ドッグ』:ヤサグレた女刑事の単独行…としては、ストレートなアメリカン・ハードボイルドなのだけど、過去の因縁が徐々に明らかにされるにつれ、「悪」を外ではなく内へと見出し、それと対峙する「ノワール」へと変性してゆく過程が見えて、文学の境界線を越える感覚が面白い。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月24日
『ストレイ・ドッグ』:「ノワール」をどう定義するかは色々だけど、ひとつには、世界に生起する禍事(まがごと)の原因(悪)を外部ではなく、自分自身…要する「全部オレの所為か!」と対峙して受け留める文学なのか、という見方もあるのかな、と。そう見ると少し仏教的でもある。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月24日
『ストレイ・ドッグ』:主人公は作中でびっくりするくらい理解者が少なく、わずかなその理解者にも自ら背を向け、ズタボロに傷ついて孤独を深めながら「敵」へと迫り、それは同時に自身の「罪」へと迫ってゆく。救いはないようにも見えるけど、そこに「純化」の悦びもなくもない。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月24日
『ストレイ・ドッグ』:心理的な逃げ場を奪ってギリギリと追い詰めて、ようやくこの女主人公の「動機」が明かされる。その行いは「悪」であり、「罪」であるにせよ、その「願い」まで否定されるべきなのか……。とまあ、そういう哀切がキモの映画というか。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月1日
『ストレイ・ドッグ』:女性主人公のノワールは、日本でも桐野夏生『OUT』とかあるし、先日観た『82年生まれ、キム・ジヨン』も原作はノワール寄りだとも聞く。地獄のある所にノワールは在り、女の人生に地獄はいくらでも口を開けて待ち構えている(勿論、男だってそうだが)。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月1日
『ストレイ・ドッグ』:であるのなら、そもそもノワールを語るのに、主人公の性別を問うことなぞ無意味でしょう。そこに地獄があり、それを語る物語であれば、それはただノワールとして在るというだけのこと。あっと言わせる叙述トリック的な構成とあわせて、優れたノワール映画でした。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年11月1日
■監督フィルモグラフィ:カリン・クサマ(1968年~)
『ウイルス』@新宿ピカデリー(20/10/15(thu)鑑賞)
Virus Official Trailer | Aashiq Abu | OPM Records
監督:アーシク・アブ
主演:レーヴァティ/パールヴァティ/クンチャーコー・ボーバン
2019年/インド/マラヤーラム語/150分
原題:Virus
本日の映画『ウイルス』@新宿ピカデリーに劇場入りしました。IMW2020の6本目。2018年南インドで発生した感染症拡大に対峙する医療機関と市民の闘いを描く実話ベースのメディカル・スリラー、だそうで。インド映画でパンデミックものかあ……(^^) #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月15日
『ウイルス』観終わりました。実話ベースのパンデミック映画…なのだけど、患者の遺体を火葬にしようとしたら宗教的反発喰らってひと揉めしたり、中盤から州政府のクラスター追跡班が全面の出て、発症前の患者の動線を追って人生や隠されて秘密を暴いたり、他国のそれとは一味違う(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月15日
『ウイルス』:南インドはケラーラ州が舞台で、医療従事者と州政府召集のパンデミック対策専門家チームが主な主人公。州政府の自治権が強いのか、地方都市周辺で押さえ込んだこのくらいの規模のパンデミックでは、中央政府関係者はほとんど出てきません。実際は連絡員ぐらいいたろうけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月15日
『ウイルス』:というか、この専門家チームのクラスター追跡が煮詰まると、会議で生物兵器陰謀説を口にしだす奴が出てきて(爆、このまま自然環境発生源説のエピデンス示せないと、陰謀論を盾に中央から軍が乗り出してくるので、それはまずいよね、みたいな展開に。マジすか……(--;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月15日
『ウイルス』:仮に「生物兵器テロ」だったとして、誰が…というのは作中では敢えて明言はされてないのだけど、発言者(女性)の衣装から察するにイスラム過激派辺りが想定されていたのでしょう。しかし、イスラム系住民の多い地域に、そんなシナリオで軍の介入を招いたら、どんなことになるか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月15日
『ウイルス』:純粋に地域の健康保険行政だった感染症対策が、一気に政治化、安全保障問題化する瞬間で、インドの保健行政も大変ですよ。まあ、コロナ対策が大統領選挙と絡んで滅茶苦茶なことになってる米国の大概ですけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月15日
『ウイルス』:徹頭徹尾エピデンス重視であるはずの専門家会議に陰謀論者が紛れ込むのって、昨今の日本の政治家のアカデミズム嫌いをかえりみると、まったく他人事ではない(--;;。まあ、この映画の描かれ方が、どこまで事実に即しているのかは不明ですけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月15日
『ウイルス』:それ以外にも、まず真っ先に医療従事者から犠牲が出て現場が士気的なダメージに苦しむとことか、コロナ後の今観ると非常に示唆に富み、しかしそれをこうまとめるかという意外性がインド映画らしい。ジャンル映画の枠組みがあると、お国柄が比較しやすいとも言えるけどね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月15日
『JA750号機行方不明』@ザムザ阿佐ヶ谷(20/10/03(sat)鑑賞)
本日の映画2本目『JA750号機行方不明』@ザムザ阿佐ヶ谷に劇場入りしました。1959年公開。地元で起こった旅客機遭難の報に騒然となる地方記者たちのお話。『クライマーズ・ハイ』みたいなお話?(^^;; 元々、ラジオドラマ原作なんだそうですが、さて。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月5日
『JA750号機行方不明』観終わりました。旅客機ではなく、(たぶん)郵便貨物系の小型機でした(^^;; 墜落から半月経って依然発見されない機体を巡って、大手新聞社の若手記者と地元地方紙の老記者が南アルプス山中に分け入るが……というお話。63分の掌編なので、そんな大袈裟な話ではないです。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月3日
『JA750号機行方不明』:基本的には、スクープ獲りに焦る青年記者と、スクープ記事ではなく地元の生活に根ざした記事を書いてきた定年まじかの老記者のお話なんですが。するするとロープ降下(ラペリング)し、急勾配の斜面をひょいひょい登る老記者の姿が印象的で、地方紙記者は皆ああなのか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月3日
『JA750号機行方不明』:で、衛星電話なんかない時代ですから、山中から機体発見の第一報の記事を送るために、伝書鳩背負って山に入るのね(^^;; 鳩は新聞社じゃなくて自宅に戻ってるんで、老記者が個人で飼ってたのかもしれないけど。伝書鳩ってどこまで社会で活用されてたんだろう。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月3日
『JA750号機行方不明』:まあ、そもそも、スクープ狙いだからって、青年記者も老記者も、単独で南アルプスに入るもんじゃないです(^^;; それも登山コース頭から無視して。案の定、青年記者は滑落事故で負傷して動けなくなるし(爆 無茶するなあ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月3日
『JA750号機行方不明』:この辺は、公開から60年以上経ってしまうと、本当に当時の記者の気質がこんなもんだったのか、映画として誇張して表現しているのかよく判らない(^^;; まあ、演出の都合の要素が大きいんでしょうが。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月3日
『JA750号機行方不明』:とは言え、スクープと追う記者の本能とモラルの相克のお話と捉えれば、21世紀の今日でも古びないテーマです。そこの部分はしっかり軸が通ってたので、古さを感じることなく観れた映画でした。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月3日
■監督フィルモグラフィ:山崎徳次郎(1922年〜)
『ジャパン・ロボット』@新宿ピカデリー(20/10/05(mon)鑑賞)
Android Kunjappan Version 5.25 | Official Trailer | Soubin Shahir | Ratheesh Balakrishnan Poduval
imwjapan.com監督:ラティーシュ・バーラクリシュナン・ポドゥヴァール
主演:サウビン・シャーヒル/スラージ・ヴェニャーラムード/ケネディ・シルド
2019年/インド/マラヤーラム語/138分
原題:Android Kunjappan Version 5.25
Android Kunjappan Version 5.25 (Original Motion Picture Soundtrack)
- 発売日: 2019/11/09
- メディア: MP3 ダウンロード
本日の映画『ジャパン・ロボット』@新宿ピカデリーに劇場入りしました。IMW2020の5本目。インドの田舎の堅物のお爺ちゃん家に、息子の代わりに送り込まれた日系ロシア企業(?)の介護ロボットのお話。例によってカテゴリー分類不能らしきレビューは流れてくるんですが、さて(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月5日
『ジャパン・ロボット』観終わりました。南インドの風景に、ジャパニメーションのデザインラインを微妙にインド解釈したロボットが馴染む馴染む(^^) 偏屈爺さんが介護ロボットを受け入れるとこで終わらず、その先の依存なのか愛なのか、その喪失の先まで描ききるのはさすがインド映画ですな。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月5日
『ジャパン・ロボット』:緑豊かな南インドのボンクラな田舎の風景に、ハイテクの塊の介護ロボットをポツンと置いてみた時、一緒に暮らす爺ちゃんだけでなく、周囲の住民が、このロボットをどう「解釈」して受け入れてくのかが、まずゆるゆるとした楽しさで面白い(^^) #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月5日
『ジャパン・ロボット』:家電も嫌がる爺ちゃんが、ロボットがこっち向くだけでビクッと驚いてたのが、「服着せてやらないと恥ずかしいだろ」とシャツ着せてみたり、「占ってくれ」と占星術師のとこに連れてったり、まあユーモラスはユーモラスでいいんだけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月5日
『ジャパン・ロボット』:そんな風に、散々、爺ちゃんとロボットの微笑ましいエピソードを重ねて、感情移入を誘っといて、「でも機械なんだぜ」「プログラムなんだよ」とすっと一線を引いて、愛情なのか依存なのか、それはどこでどう違うのか、と疑念を差し込ませる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月5日
『ジャパン・ロボット』:大枠はコメディということでいいのだろうけど、人の愛情の在処(ありか)を問うような深さを感じる瞬間もあってなかなかに侮れない。南インドの美しい田舎の風景と相俟って、不思議な魅力のある映画でした。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月5日
『ジャパン・ロボット』:あと、地元の役所に「無免許で運用はいかん」と難癖つけられてロボット取り上げられた時に、爺ちゃんが地元の共産党頼って役所に乗り込むというエピソードがあり(爆 市民の困りごとの最後の駆け込み先、というのは、インドでも共産党の扱いはそんな感じなのか(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年10月5日