『峠 最後のサムライ』@地元のシネコン(22/06/20(mon)鑑賞)
本日の映画『峠 最後のサムライ』@地元のシネコンに劇場入りしました。司馬遼太郎原作、役所広司主演、小泉堯史監督。幕末、越後長岡藩重臣、河井継之助の伝記映画。幕末の英雄……つーか、梟雄というか。まあ最高に厄介だった人だとは思いますが。<長州出身なので評価が辛い(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『峠 最後のサムライ』観終わりました。侍の一分の意地と美学は結構だが、それで戦略ノープランで戦争始められてもなあ…と、長州出身者としては思うわけなんですが(^^;; まあ河井継之助個人の意地だけでなく、会津を切り捨てられないのが最大の理由みたいにこの映画ではなってましたけど。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『峠 最後のサムライ』:司馬遼太郎の原作は河井継之助の若い頃から始まってるんですが、今回は新政府軍が長岡藩に押し寄せるところから、戦闘で負傷した継之助が会津に落ち延びたものの切腹して果てるまで。河井継之助を幕末の混沌の中で長岡藩一藩で独立不羈を唱えた「英雄」として描く。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:原作もこの映画もそういうトーンで描こうとしているんですが、外交交渉を新政府軍が国境に押し寄せてから遠征軍司令とやろうとして追い返されたり、一時善戦しても制海権がないので新潟側から上陸されて総崩れになったりと、本当に優秀なのかこの人、という気が(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:会津藩攻めのために大軍率いてやってきた軍司令官に、胸を張って「会津との和平交渉を仲介します」はないでしょうよ。そういう話は、江戸の新政府政権とすべきだし、それも事ここに至っては遅すぎる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:長岡藩が中立面で新潟港から武器弾薬を奥羽越列藩同盟に供給されては会津攻略の難易度は跳ね上がる。新政府軍参謀・大村益次郎の軍略上、長岡藩(というか新潟港)の許順ないし制圧は必須達成事項であって、そこに長岡藩割拠論なんて与太話が入る余地はないですよ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:そういう戦略観がないので、「新政府軍は情というものがないのか!」みたいな事を言い出す。情で戦争するんじゃない。和平案を一蹴した新政府軍が悪いみたいに描いてますが、最低限の戦略観も持たない人間に戦争指導させる方が悪いとしか思えないなあ……。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:とは言え、戦術指揮官としてそこそこ優秀ではあって、開戦までに藩兵の装備や部隊運用の西洋化を推し進め、ガトリング銃採用したり、開戦後の作戦指導も地の利もあって悪くない。ただそれも、新政府軍側の兵力の厚みや、それを活かす作戦の柔軟性の前には敵わない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:新政府軍は陸からの力攻めが不利と見るや、さっさと上陸部隊を編成して後背に上陸させてそこから長岡藩主力を撃つ。この映画では、地図を前にした軍議シーンなどで河井継之助の戦争指導を判りやすく説明しているんですが、それだけにその限界も見えてくる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:結局、現今の政治・軍事的危機への対処と戦後処理まで見据えた大所高所の戦略観が、河合継之助の言動からさっぱり見えてこないので、幕末動乱に出遅れた長岡藩が気持ちの落とし所見つけるために挙兵してみたみたいな話になる……。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:さて、そんなわけで、この映画は戦争シーンは割とよく描けてて、河井継之助と長岡藩に心情的に肩入れしつつも、戦場ではどうもならん(まあ、史実なので(^^;;)、という容赦のない現実を淡々と描いてゆきます。そこは誠実なんですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:それ以外では、少人数で対話するシーンが多く、そこはあまり躍動感を感じない。既存のイメージを覆すような、あっと驚くような河井継之助像が展開するわけではないので、郷土と家族を愛する人情家像を想い入れたっぷりに語られても、ああそうですか、としか(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:何か既視感あるな、と思ったら、アレだ、片岡千恵蔵の『新選組鬼隊長(1954)』だ。近藤勇の終活話というか、自身の人生の縁(ゆかり)の人々にひとりづつ会って存念を語り、その積み重ねの涯(はて)に最終的に大往生という。邦画の一種の様式美なのかしら。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
『峠 最後のサムライ』:どうもこう、個人的に河井継之助という人物の評価が高くないので、映画の評価もそっちに引きづられがちなんですが(^^;;、合戦描写とか変に長岡藩側を持ち上げずにしっかり描いている所など、幕末ものでも脇に廻されがちな北越戦争を描いた作品としては良かったかと。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月27日
■監督フィルモグラフィ:小泉堯史(1944年~)
『メタモルフォーゼの縁側』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(22/06/17(fri)鑑賞)
本日の映画『メタモルフォーゼの縁側』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。鶴谷香央理のコミック原作、芦田愛菜&宮本信子主演。17歳の女子高生と75歳のお婆ちゃんが、BL好きで繋がるというお話。脚本は岡田惠和で、監督は『青くて痛くて脆い』の人ですか。ほほう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『メタモルフォーゼの縁側』観終わりました。人が創作活動に踏み出す瞬間を、少年マンガ風の「やったるぜー!」的な情熱ではなく(^^;;、人間関係の豊かさの中から背中を押されて、ふわりと浮かび生まれる尊いものとして描く映画。何気に邦画はこのくらいの温度感の映画撮るの上手くなったよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『メタモルフォーゼの縁側』:書店でバイトしている女子高生うらら(芦田愛菜)は、美しい表紙に惹かれてBLコミックを手に取った老婦人・雪(宮本信子)とBL談義で意気投合し、勤務後にBL初心者の雪に自分のコレクションからお勧めBL作品を紹介する間柄に。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:雪の自宅に招かれてBL談義をする日々を重ねる内に、うららのスケッチブックを見た雪が、漫画にして同人誌にすることを提案する。雪に印刷代を出してもらい、拙いながらも初同人誌を発行したうららは、同人イベントに参加することになるのだが……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:芦田愛菜演じる主人公は教室の端っこでひとりでBL本読んでるような陰キャで、クラスのカースト下位にいる女子高生。同じマンションの幼馴染に、イケメンで何でも分かってくれる男の子がいる……が、ぼやっとしている間に既にハイスぺ彼女と交際中orz #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:あまりに完敗すぎて嫉妬する気にもなれないまま、その幼馴染の恋愛相談とか乗ってたりするわけだけど(…辛い)、その辺の何もする前から失恋状態のもやもやを、彼女がBL作品の関係性に重ねているのを非常に上手く表現しています。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:その女子高生のうららに対し、旦那さんも亡くなってひとり暮らしのお婆ちゃんの雪が、同じBL作品を好きになることで、互いに共感しあう。そしてそこから想いが溢れ出るように、うららの初めての創作へと繋がってゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:雪に褒められて調子に乗ったとはいえ、それまでまじめにデッサンとかやってきたわけではない女子高生が、一念発起で頑張って、まあ実力相応の本ができるわけですよ。それを持っていざイベント会場に出陣……したんですが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:現地入りして、あー、そこで折れるのかー、という挫折を(^^;; えー、自分の時は最初のイベント参加時は「これでとうとうオレが天下を獲ってしまうのか」とか調子に乗ってたけどなあ。<それはそれで(汗 まあ、自信のない作家さんなら、そういうこともあるか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:ただ、この時、彼女が作った本は、それを読んだわずかな人たちにささやかながらもちゃんと何がしかの影響を与えて、やがて彼女の下へと帰ってくる。BLという題材を使いながら、そういう創作活動の円環関係というかエコシステムをうまく描いています。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:創作へのモチベーションは人それぞれなんで、成り上がりの野望でも、読者を作品でぶん殴りたいでも何でもいいんですが、こういう形で日常からふわりと繋がって日常に回帰する創作活動の有り様は新しい。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:創作活動を生活実感と接続させ、日々の生活や人生の豊かさに繋げてゆくモデルを提示してくれる映画で、創作活動が特別な才能の芸術家だけのものではなく、市井の人々の日々の営みと非常に近い、日本ならではの映画という言い方もできるかもしれません。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:まあ、非常にスモールな人間関係と起伏のお話で、映画が終わっても世界が救われるわけでもなければイケメン幼馴染を取り戻せるわけでもないんですが(^^;;、でもそこで得られたささやかな成長と豊かさの機微を確かに捉える、今どきの邦画らしい佳作でした。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:そうだ。あとピンポイントで良かったとこで、例の幼馴染のハイスぺ彼女も娯楽としてカジュアルにBL作品楽しんでたりするのを見て、主人公がぬぐぐっとなるのが良かった(^^;; こっちゃもっと切実なんだよ、とは直接口にはしませんが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
『メタモルフォーゼの縁側』:そこから、物語全体を通して、そのハイスぺ彼女は彼女なりの切実さを抱いて生きていることを理解して、最後は彼女にエールを送るところまで成長する。…まあ、親友とかになるわけではないので、どこまで伝わってるのか判らないという匙加減も良かったですね(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月25日
■監督フィルモグラフィ:狩山俊輔(1977年~)
Netflix | 青くて痛くて脆い
『クラウディ・マウンテン』@シネマート新宿(22/06/16(thu)鑑賞)
本日の映画『クラウディ・マウンテン』@シネマート新宿に劇場入りしました。中国西南部の地方都市で、トンネル掘削工事の影響で、2時間後に大規模な地滑りが16万人が住む居住区を襲うことが判明し、それを阻止するため岩盤を吹っ飛ばせ…という、中国のディザスター映画だそうですが、さて。#fr22_n pic.twitter.com/d6SFszOoan
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月16日
『クラウディ・マウンテン』観終わりました。中国では鉄道敷設は、専門の鉄道兵のお仕事(今は民営化してるっぽい)で、その鉄道兵魂で大規模山岳災害に立ち向かう元鉄道兵と現役地質調査員の親子鷹のお話。しかし、この手の話で誰も「悪役」を作らない作りなのも珍しいですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月16日
『クラウディ・マウンテン』:中国西南部、周囲を切り立った壁面で構成される山岳地帯を貫いて、高速鉄道用トンネル掘削工事が行われ、10年越しの難所工事の完遂を目指して、スケジュールの前倒しが行われようとしていた。そんな中、作業中の湧水から地質調査員ホンは、不穏なデータに気づく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:その日、麓の街を訪れる父親の迎えを恋人に任せて、ホンは山中のセンサー群のチェックに向かう。そこへ、大規模な地震が地域を襲う。元鉄道兵で捜索救難員だった父親は、陥没した地面に吸い込まれたバスの乗客を救うため、地下に入り込む。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:地上への出口を閉ざされた父親と生き残りの乗客一行は、出口を探して地下の断裂を奥へと進む。恋人からそれを知らされたホンは、地質構造から父親たちの進行方向を予測し、自らも山中の断裂から地下へと向かう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:一方、ホンのセンサーや探査衛星の情報から、72時間以内に工事現場近くの山が崩落し、トンネルや橋脚を巻き込んで、大量の土石流が16万人が住む麓の町を呑み込むことが判明。現地対策本部は、付近の山を爆破して、土石流の流れを変えようとするが……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:まず舞台となる山岳地帯ですが、「山」と言っても、中国南部地方の風景画にあるような、周囲を切り立った崖で構成された柱みたいな「山」です。石灰質を多く含んだカルスト地質なんで、長く風雨に侵食されるとこうなるみたいで。いわゆる「奇岩地帯」というやつ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:これがズドンずどんと肩を寄せ合うように並んでいて、その麓に都市がある。こんな所にトンネル開けて高速鉄道を通そうなんてどうかしてますが、まあ日本の地形も工事難度では似たようなものですし、経済成長の熱狂に酔ってる時はやれちゃうんですね(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:で、建国以来、その鉄道敷設に関連する土木工事をやっていたのが鉄道兵で、今は国有企業として民営化されているものの、工事関係者はその鉄道兵魂を胸に日々の工事に挑んでいる、というのがこの映画の前提となる舞台設定。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:…いや、どうもその辺、中国国内では常識扱いなのか、本編中ではあまり詳しく説明はありませんが(^^;; で、主人公のお父さんは、その元鉄道兵で、現役時代は事故などが起こった時に捜索・救難活動を担当して、現場に飛び込んでゆく任務に従事していたみたいです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:ここもそんなにくどくど説明はないんですが、地震発生直後から、鉄火場でテキパキと動いて陥没した地下にもするりと入り込んで救助活動を始めるんで、どういう経歴の人かだいたいの検討がつくようになっています。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:主人公はこのお父さんに子供の頃からクライミングの技術を叩き込まれていて、それを今の仕事にも活かしている。ただ、幼い頃にお父さんが任務で出動している時に、お母さんを目の前で死なせてしまい、そのわだかまりが今も残っている、という感じ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:地震発生後、前半は地下で合流したこの父子がわだかまりを乗り越えて地上に脱出するまでを描き、後半は土砂崩れのルート変更のために山ひとつ爆薬で吹っ飛ばすために、フリークライミングで雨に濡れた絶壁登攀に親子鷹で挑むという、熱い展開になります。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:父子の和解を軸にしたことで感情移入もし易く、ハラハラどきどきのクライミングシーンも多くて、災害(ディザスター)映画としては、よく出来ています。災害範囲が広域なので、ちょいちょいCGでマップ情報を示してくれるのも判りやすい。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:一方で、この手のジャンル映画だと、欲に駆られた資本家が工事を強行するだの、最善の解決策を嫌がって事態を悪化させるだのを引き起こすんですが、本作では施工主が民間とは言え国有企業なのでそんなことにはなりません(^^;; むしろ災害対策を主導する立場。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:工事現場の女性主任は、土石流対策のため、10年がかりで完成に漕ぎ着けんとしているトンネルの破壊を決断するし、それに抗議する工員たちに鉄道兵魂を思い出せ、と熱く説得する。まあ、いいのだけど、こういう映画で誰も悪くない「優しい世界」というのも珍しい。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:ゾンビ映画ぐらいなら生命意地の汚い市井の小悪党風情は出せるんでしょうが、このスケールの大規模災害対策では政治が絡むので、「悪人」が出せないのかしら、とか邪推してしまいますが(^^;;、いずれにせよ西側の同様の作品とは座りの違う映画になっています。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『クラウディ・マウンテン』:中国独特の地勢状況や、建国以来の独自の鉄道建設史、そしてそこに生きる人々の生活に根差した、中国土着(ドメスティック)の災害(ディザスター)映画として、非常にユニークな映画として楽しめました。この調子で、どんどん独自に進化していって欲しいですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月23日
『オフィサー・アンド・スパイ』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(22/06/15(wed)鑑賞)
本日の映画『オフィサー・アンド・スパイ』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。ロマン・ポランスキー監督。19世紀仏で実際に起きたスパイ冤罪事件「ドレフェス事件」のお話。ユダヤ人差別と、現代の移民差別、そしてハリウッドを追放された自身の境遇と、色々と重なる映画です。#fr22_n pic.twitter.com/7ZQUI8iQ3u
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月15日
『オフィサー・アンド・スパイ』観終わりました。スパイ活動がまだスーツや軍服姿の紳士の職業だった最後の時代、決闘制度も残る時代に起きた冤罪スパイ事件。なのだけど、軍や国家の面子を守るために、司法まで加担して正邪が転倒する有様に、この国の最近起きた疑獄事件が重なったりして。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月15日
『オフィサー・アンド・スパイ』:1894年、ユダヤ系仏陸軍大尉ドレフェスは、スパイ容疑で逮捕され、軍籍剥奪の上、終身刑を言い渡される。その余波に揺れる軍中央で新たに防諜部部長に就任したピカール中佐は、弛んでいた組織を立て直しつつ、参謀本部内に潜むスパイの洗い出しを進める。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:とある将校に標的を定め、証拠固めを進める内に、軍法会議でドレフェスの犯行を決定付けた証拠文書が、この将校のものであることを突き留める。軍法会議のやり直しと、真犯人の逮捕を求めるピカールに、しかし軍上層部は事実の隠蔽を命じる……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:時代は日本で言うと日露戦争開戦の頃。ようやく電話が重要施設の建物に1台あるかないか、という時代。欧州では、新興国ドイツが積極的な諜報活動を展開し、フランス当局はそれに手を焼いている状況です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:とは言え、フランス側はだいぶ後手を踏んでいて、ピカールが着任した時点で、陸軍防諜部門もこじんまりとした陣容。人手のいる尾行や科学分析などはパリ警視庁に下請けに出しているような有り様で規律もだいぶ弛緩しているので、まずその締め直しから。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:それでも苦労しながら、地道な捜査で参謀本部内で活動するスパイを炙り出す。軍服にマント、スーツにステッキの紳士たちが、馬車で移動しながら、非合法に入手した紙資料を巡って駆け引きするこの序盤の展開は、時代劇のロマンとスリルに満ちて素敵(^^) #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:捜査対象の監視に写真機が使われたり、筆跡分析が裁判で証拠資料として採用されたり(かなり恣意的な解釈されてたが)と、近代捜査の帷(とばり)が開きつつ、決闘が合法だったりするので不思議な感じ。この時代のエスピオナージュも意外と穴場かしら。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:そんなわけで、「真犯人」を見つけてみたものの、軍の面子と自己保身を優先させた軍上層部の高官たちは、ピカールに捜査の中止を命じ、証拠資料を破棄し、挙句の果てには証拠偽造まで行って、全力で「真犯人」を守ろうとする。……本末転倒じゃねえかorz #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:更に、軍はピカールを逮捕・拘束するも、ドレフェスを支援する新聞メディアや文豪ゾラなどが政府批判のキャンペーンを張り、軍法会議のやり直しに追い込まれる。まあそこも、判事の証拠採用が恣意的だったり、審議の進行も軍・政府寄りになりがち。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:その内、証拠偽造した当人が証言直前に謎の自殺したりと、こう、どこかの国で最近起きた疑獄事件のような展開に(-o-;; まあ、あちらが腐敗国家の疑獄事件のテンプレート通りの展開をし過ぎているだけなんでしょうけども。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:歴史的事実なので、事件の結末に触れると、関係者を実名で批判する告発文を書いたゾラの裁判などを挟みながら、ドレフェス自身は1899年に大統領特赦で釈放。その後、1906年に改めて無罪判決を得て名誉回復がなされました。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:この事件が歴史的に重要なものとされる理由は、ドレフェスがユダヤ系であったことから、軍法会議の行方を巡って、フランス国内のユダヤ人差別とそれへの抵抗が可視化されてしまったことにあります。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:軍批判キャンペーンを展開した新聞メディアなどは伝統的にユダヤ資本が強いですし、ドレフェスを支援したユダヤ系の知識人や資本家もいたことでしょう。彼らにとっては、軍という公的な機関で人種差別が横行しているというのは、悪夢でしかない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:その一方で、そうした連携の動きは、まさしくユダヤ人差別主義者たちの妄想する陰謀論を刺激し、軍法会議の会場を差別主義者団体が取り囲むことになる。ドレフェスを裁いた判決理由は、決して人種差別によるものではない、という立て付けのはずなんですがね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:結局、この辺の軍や政府、市井の差別主義者たちの動向への不審感が、ヨーロッパのユダヤ人によるイスラエル建国運動(シオニズム)に繋がっていったとされますが、まあ、それはまた別のお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:主人公のピカール自身は、積極的な人種差別者とは言えなくても、ユダヤ人への漠然とした不審感を平気で口にする人です。自らは独身でも某大臣夫人と不倫の関係にあって、決して清廉潔白というわけでもなく、後日、そこを衝かれて窮することにもなる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:しかし、そういう男であっても、彼なりの職業倫理観に則って、不屈の精神で軍の過(あやま)ちを批判する。一方で、普遍的な正義や理念に基づくものとは違うので、後年、出世して政治家となると、その職業的立ち位置に沿った判断を行うようになる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:まあ、本当に自分の中の意地というか、規範意識を踏み躙られたので徹底抗戦しただけなのかもしれない。矛盾しているようで、本人の中では一貫してるのか。その意味では、きわめて自己中心的な男と言えるのかも。そこも含めて、人間臭い人物、ということです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:ちなみに監督のロマン・ポランスキーは、フランス映画出身でハリウッドで『チャイナ・タウン』とか撮ってブイブイ言わせてたら、未成年者に手を出した疑惑で追放喰らって、以後、ヨーロッパ中心で活躍してる人。近いとこだと『戦場のピアニスト』の監督さん。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:あと、タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でもあるように、ハリウッド時代に若い奥さんを暴漢に殺されてるんですよね。……つーか、当事者存命の内に、あんな映画撮ったのか、タランティーノ(-o-;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:あと脚本のロバート・ハリスで、誰だっけと思ったら、ドイツ戦勝後のベルリンで刑事が隠蔽されたユダヤ虐殺を追う『ファーザー・ランド』の原作の人か!序盤のエスピオナージュ・パートのスリリングさは、その辺から来てるのかな。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
『オフィサー・アンド・スパイ』:信念を枉(ま)げなかった男の話……というか、厄介な状況下に、たまたまくそ厄介な人物が出喰わした結果、社会の断層が顔を覗かせ、歴史を変える遠因になったお話というか。時代ロマン的な語り口で、現代社会の断層とも繋がる映画でした。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月20日
■監督フィルモグラフィ:ロマン・ポランスキー(1933年~)
『劇場版 からかい上手の高木さん』@TOHOシネマズ立川立飛(22/06/13(mon)鑑賞)
Amazon.co.jp: からかい上手の高木さんを観る | Prime Video
Amazon.co.jp: からかい上手の高木さん3を観る | Prime Video
Netflix|からかい上手の高木さん(3シーズン)
https://www.netflix.com/title/80228274
本日の映画『劇場版 からかい上手の高木さん』@TOHOシネマズ立川立飛に劇場入りしました。山本崇一朗原作コミックスの劇画版。離島の中学校の幼馴染で、教室で机が隣り合わせの男の子と女の子の、恋愛未満くらいの関係性のお話。映画にするほど劇的な展開はないはず、ですが……さて(^^;; #fr22_n pic.twitter.com/tTl9zi89oJ
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月13日
『劇場版 からかい上手の高木さん』観終わりました。基本的にドラマチックな事件とか起きず、ハッピーエンドも決まってる(原作で結婚後の外伝がある)ので、どう映画のスケールに仕立てるかと思ったら、夏休みのちょっとした出会いと別れを通して、完結編らしいきれいなまとめ方でした。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月13日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:中学2年生の高木さんと西片くんは、幼馴染で同じクラスの席も隣同士。いまだ小学生気分の抜けきれない負けん気の強い西片くんは、隣の席の高木さんから、小さなゲームを挑まれては、万事一枚上手の彼女にいいようにあしらわれる毎日。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:そんなふたりも中3に進級し、中学最後の夏休みを迎えるのが今回の劇場版。周囲ではお付き合いを始めるカップルも出始めて、ようやく年相応くらいにまで成長してきた西片くんも、高木さんのことを異性として意識し始めるのだけど…というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:そんなわけで、基本的に悪い人のいない「優しい世界」で、大きな波乱は起きません。だいたい原作で大人になったふたりがお父さんお母さんになってるスピンアウト作品があるんで、ハッピーエンドが約束されてるという(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:じゃあどうやって映画1本持たすかというと、子猫を拾います(爆 まあ、メインのふたりは鉄板ですが、この子猫との出会いと別れとか、脇のボンクラ3人娘の解散の危機とかで、必要な感情の振り幅は確保しているので、映画として喰いたりなさはない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:子猫との別れ、ボンクラ3人娘のひとりが本土の高校に進学するかもという不安、あと同じクラスの別のカップルの女の子が男の子が告白できずにいる間に海外にホームステイしちゃう件とか、「別れ」を想起させる「不安」はふたりの周辺につきまとう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:先に触れたように、大人になってふたりが結ばれることをシリーズを追ってきた観客は知っているけど、でも中学生からそこまでどういう人生を経てきたのかは知らないわけですよ。それらの「別れ」のイメージは、観客にも「もしかして」と不安を抱かせる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:そのそのハラハラした緊張感を通奏低音として流しながら、主人公ふたりのじゃれ合うような微笑ましい関係性やら、(たぶん)瀬戸内の島の生活圏のすぐそばに海と山が迫るロケーションの美しさとかで、映画1本持たせる、と(70分とちょっと短めだけど)。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:作品の世界観から、作中における緊張状況の上限が決まっていて(いきなりゾンビとか出さない(^^;;)、それを壊さず守る(急展開で転校とか家族の不幸とかぶっ込まない)となるとやれること限られてそうなものだけど、色々手があるもんですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:とはいえ、今回の劇場版はTVシリーズ3期やってきて、最後の締め括りの位置付けなので、「これまでのお話」をちゃんと終わらせるお話になっています。原作とスピンオフをしっかり繋いでみせるというか(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『劇場版 からかい上手の高木さん』:TVシリーズも観てない人が初見で観るには喰い足りないかもしれませんが(大した事件起きないし)、まあ、そういう人は観にこないからいいか(^^;; でもファンであれば、世界観を大切にしてくれている姿勢と併せて、 非常に満足度の高い作品ですので、是非。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月18日
『ALIVEHOON アライブフーン』@立川シネマシティ/CINEMA TWO(22/06/10(fri)鑑賞)
本日の映画『ALIVEHOON アライブフーン』@立川シネマシティ/CINEMA TWOに劇場入りしました。野村周平主演、土屋圭市監修。 eスポーツのドリフトキングがリアルのサーキットでもドリフトキングを目指すお話。さて、監督が『キカイダー REBOOT』の人というのをどう評価するかな(^^;; #fr22_n pic.twitter.com/SOm4bJnH0f
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『ALIVEHOON アライブフーン』観終わりました。モータースポーツもののスポ根ものとして、びっくりするくらい基本に忠実。で、その分、たっぷりと贅沢にドリフトレースを魅せるという、創り手が完璧に自分たちのミッションを理解している映画。これ、レースシーンの力を信じてるとも言えるか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『ALIVEHOON アライブフーン』:eスポーツの『GT(グランツーリスモ)』の日本チャンピオンの大羽紘一(野村周平)は、メカニック武藤夏美(吉川愛)によってドリフトチーム「チーム・アライブ」のドライバーにスカウトされる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:チームのオーナーで専属ドライバーだった夏美の父・亮介(陣内孝則)が、レース中のクラッシュで負傷し、ドライバーを引退するため、代わりのドライバーを探していたのだ。だが「eスポーツのチャンピオンが実車で通用するか」と亮介は相手にしない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:だが、現役ドライバーの小林総一郎を呼んでのトライアル走行で、彼の走りに喰らいつく紘一に、亮介は可能性を見出し、チームに迎え入れる。かくして、本番のレースに向けて、亮介は紘一をプロのドリフトドライバーとして鍛え上げてゆく……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:ドリフトレースとは、一般的な「誰が最初にゴールしたか」を競うレースではなく、2台の車輌のタイマン勝負。コーナリングの美しさなども採点対象となる「演技」要素の強い競技です。自分もこの映画ではじめて知りましたが(^^;;、こんなレースもあるんですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:「eスポーツのチャンピオンが現実のレースでもチャンピオンになる」というのが本作のキモになるファンタジー。現実にそういうドライバーもいるようですが、作中でもさんざん揶揄されているこれを「ひょっとして」と思わせるのが映画の力。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:ちなみにモータースポーツに限らず、プレイした時の視座(ヴィジョン)を正しくイメージできるのは、スポーツ全般にとって重要な要素で、よくできたゲームはプレイヤーのそれを鍛えることができます。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:実際にパイロットの訓練課程ではフライトシミュレーターでの飛行時間も経験値として評価されているわけで、『GT』クラスの高精度なシミュレーターのチャンピオンなら、素養は充分にありと見ていいでしょう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:まあ、実車レースで勝てるには、そこから長時間のレースに耐える体力や、人命を賭けてのレースに耐える抗ストレス性なども必要になるので、それだけで勝てるものではありませんが(作中でその辺の描写もちゃんとある)。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:そんなわけで、巨大な才能を秘めた未だ未熟なプレイヤーが、特訓やライバルとの死闘を経て才能を開花させ、成長してゆく……という定番のスポ根ものです。その意味では意外性はないものの、その定跡を非常に丁寧に、手を抜かずに積み上げるので、好感度は高い。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:というか、その主軸を無理して膨らませようとせず、愚直なまでに必要なことだけを積み上げてゆきます。例えば、主人公とヒロインの関係も恋愛よりもチームメイトとしての絆くらいで済ませるし、主人公の出自や過去とか無理に掘り下げない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:だいたい主人公は無口なコミュ障(職場の同僚ともまともに会話しない)なので、自分から動機とか哲学とか口にしないし、そもそも親兄弟とかどうしてるんだという話が一切出てこない(^^;; 演出家として、よくそこを弄るのを我慢できたな。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:手っ取り早くドラマに厚みを持たせて、観客の感情移入を得る手法として常套手段なんだけど、本作ではそれをしなかったことがそんなに失点になっていない。まあ、そんなことせずとも、レース本番に向けて話はずんずん前へ前へと進んでゆきますからね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:そんなわけで、主人公自身が寡黙(寡黙なりに挫折や葛藤もあるが)な分、特訓やレースでの車輌シーンがたっぷり。尺も長いけど、まず色使いがビビットで鮮やか。車体のペイントだけでなく、内装やエンジンルームのパーツまでそうなので、そういう現象処理なのか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:目に鮮やかな色使いは、インド映画的でちょっと楽しい(^^) その一方で、ダンテ・ラム作品のように計器やデジタル表示などで情報量を盛ったりはしないのね。そういえば、車輌や運転技術についてテクニカルな説明もそんなになかったですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:専門用語も説明なくさらっと流してたけど、それが判らなくても話に詰まらないような作りになっています。じゃあ何をしてるか、というとひたすら車輌を撮る。ドローン撮と車載カメラを多用して、レースや特訓で走行する車輌をカメラがダイナミックに動いて追う。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:それが成立するのも、プロドライバーによる、センチ単位どころかミリ単位のコース取り精度を誇るテクニックあればこそ。競い合う2台の車輌が、数センチの車間距離で氷上を滑るようにコーナーに突っ込んでくるシーンなど、車輌描写に迫力と美しさが満ちている。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:個人的には、ダンテ・ラム流の細かく画面内の情報密度を上げてゆくスタイルが好みですが、これはこれで、車輌のルックスや動きの美しさに観客の意識をフォーカスさせることに成功していて悪くない。余計な情報を排除しているので、すごく見やすいんですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:反面、レースの規定(レギュレーション)とか、各チームの車輌選択やチューニングの戦略とか戦術の違いとかは、映画だけ観ててもよく判らない。そこは何の説明もないので(^^;; そこにこだわって、展開がもたつくのを嫌ったのかな。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:その辺は、ドラマパートでキャラの過去回想とか恋愛話とかで無理に深掘りしない姿勢とも繋がっていて、そこで情報量を盛ることで映画の旨みを積み上げなくても、俳優の芝居や車輛の動きの魅力だけで勝てるという勝算ありきの演出戦略なんでしょうね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:基本的にタイマン勝負、というドリフトレースのシンプルな競技スタイルも相まって、その辺は非常に成功しているように思います。こういうリッチなレース映画を邦画でも撮れるんだという発見は、邦画ファンとしても喜びです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:ドリフトという運転テクニックは日本発祥とされ、『ワイルド・スピード』でもわざわざ東京舞台にしたタイトル回もあるくらい。国内モータスポーツにとって身近なテーマなるので、その入口として、こういう良質なレース映画から入ってゆくのもいいでしょうね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
■監督フィルモグラフィ:下山天(1966年~)
『太陽とボレロ』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(22/06/08(tue)鑑賞)
本日の映画『太陽とボレロ』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。水谷豊が『相棒』のご褒美で撮らせてもらっている映画……と高を括ってたら、前作『轢き逃げ』が意外に出来が良かったので、今回は素直に期待。まあ昭和の名監督の演出を間近に何十年も見てきた人ですしね(^^;; #fr22_n pic.twitter.com/62IPZYVgSh
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『太陽とボレロ』観終わりました。地方都市の市民オーケストラのお話で、スポンサー兼運営の檀れいを中心に描く群像劇。その檀れいが、地方のそこそこの資産家の跡取りで40代独身のお嬢様、という役に即した上品さと可愛らしさでお見事。全体のテンポも軽やかで品の良さが印象に残る映画です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『太陽とボレロ』:地方のアマチュア交響楽団「弥生交響楽団」は、チケット売上が低迷し、自治体からの助成の目処も立たず、スポンサーだった地元企業も支えきれなくなり、そこへ精神的支柱であった指揮者の藤堂(水谷豊)が癌で倒れ、代表の花村理子(壇れい)はやむなく解散を決する。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:だが、クセ者揃いの団員たちは一筋縄ではいかず、さっそくさよなら公演での藤堂の後任の指揮者の座を巡って揉める始末。せめてさよなら公演だけでも成功させようと、理子たちは奔走するのだが……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:日本国中、おらが自治体にコンサートホールがあり、中規模クラスの都市ならアマチュア交響楽団のひとつもあったのも今は昔。自治体の補助が入っているにせよそうでないにせよ、体力のないところから脱落していっているのは他の文教施作と一緒。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:本作の弥生交響楽団もそのひとつで、代表を務める服飾店経営の檀れいと中古車ディーラー経営の石丸幹二の持ち出しでかろうじて持ってたのが、この所の不景気でそれもままならず、支えきれなくなる。地方の資産家階層もダメージ受けてるもんね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:そうは言っても、箱と場さえ用意すれば、昼間は別の仕事をしているアマチュア音楽家が、オーケストラ編成できるだけの人数、自分の楽器を携えて集まってくるのは、この国の地域社会の豊かさでもあります。まあそれもいつまで続くのかしら。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:あそこに集まってる人たち、全員が芸大出というわけでもないにせよ、町場の音楽教室レベルでも一定水準の演奏教育を受けて、高価な楽器を自腹で購入してるわけでしょ。今やどこでも続いてるだけ奇跡だけど、こういう土壌があってこそ、国際水準の音楽家が生まれるわけでさ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:でも、ちょっとした中産階級のウチなら、どこでもアップライトのピアノが埃被って置いてある時代はもう終わり。ウチの実家にもありましたけど、息子の私の部屋にはない(^^;; この映画は、そういう文化的な黄昏の時代を、それでも品よく笑って迎えましょうという物語です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:で、本作は解散を決めるまで前半いっぱいかけて、意外としぶとくジタバタします(^^;; 万策尽きたヒロインが資金協力を申し出てきた昔馴染みの百貨店バイヤーと一夜を共にしかけ……まあ結局、ぶっ飛ばして帰ってきちゃうんだけど(爆 #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:この辺、ヒロインを中心にオーケストラ経営層として、あるいは40代独身女性の歳相応の苦境の描写を丁寧に積み重ねてるんですが、あんまり冗長に感じないのは編集のテンポがいいんですね。それも単にカット繋ぎを急いでがっついてる印象もなく、過不足なく繋いでゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:何というか、そこには上品さすら感じる。前作も編集はセンス良かった印象があるけど、監督の水谷豊が直接編集してるわけでもないにせよ、これにOK出せるセンスはあるわけで。表現として失礼ですが、監督の実年齢に似合わず若々しいフィルムです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:あとオーケストラの経営層に、ヒロインの檀れいと相方の石丸幹二の中年男女がいて、歳相応に責任ある大人として振る舞っているものの、いい歳して結婚もせずに一文の稼ぎにもならない音楽事業に入れ込んでるだけに、少年少女のような初心さもある。この辺の匙加減ね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:演奏家サイドでは、明るくまっすぐなバイオリンの森まりあと調子のいい二枚目半のトランペット町田啓太のカップルが、代表の中年カップルと対をなしてこの映画の間口を広げてくれます。町田啓太はNHKでウッチャンとコントやってるので、二枚目でも芝居が軽くて楽しい。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:その二組のカップルの間に挟まれる団員たちは、皆、どこにでもいる普通のおっちゃんおばちゃんたちです。気のいい人も、偏屈な人もいるし、しょーもないことに拘って揉めたり、厄介ごとを引き起こしたりする。でもそれこそ、市民オーケストラの「市民」たるゆえんですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:解散が決定してからは、そうした一般団員に、倒れた老指揮者の水谷豊を含む群像劇として展開し、やがてさよなら公演へと収束してゆく。先に触れたように、この映画は地域文化活動の黄昏の物語なのだけど、でも笑ってさよならの日を迎える方向を目指す。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:この弥生交響楽団の気のいい仲間たちが、この映画の後、どこかのオーケストラに参加するのか、ひとりで演奏を続けるのか、それとも音楽から離れてしまうのかは、きっとそれぞれだろうけど、でもきっとこのさよならの日のことは笑って思い出せるよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:それは現実に、それぞれの地域で自分の携わる文化事業を遺そうとして、それでも万策尽きたと諦めざる得ない事態に至った人たちにも、いくらかの救いと再生の希望をもたらしてくれるのではないかと思います。そういう上品で、素敵な映画でした。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日