『リップヴァンウィンクルの花嫁』@立川シネマシティ/CINEMA・ONE(16/3/26(sat)鑑賞)
Bride-wedding scores for rip van winkle-
- アーティスト: サントラ
- 出版社/メーカー: Imports
- 発売日: 2016/03/26
- メディア: CD
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本日の映画『リップヴァンウィンクルの花嫁』@立川シネマシティ/CINEMA・ONEに劇場入りしました。岩井俊二監督の最新作。……と言うより、180分という上映時間に少しビビり気味なんですが(^^;; #fr16_n pic.twitter.com/SCU1sU82oR
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月26日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』観終わりました。冴えない、ドン臭い、お人好しなヒロインを演らせたら当代一の女優・黒木華が、これまた胡散臭さ日本一男の綾野剛に、騙され倒して流されて、やがて眺めの良いある部屋にたどり着く話。いや、コメディじゃないんですけどね……。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月26日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:SNSで出会った相手と結婚する派遣教員の七海(黒木華)は、結婚式に出席する親族が足りずに、「なんでも屋」の安室(綾野剛)に代理親族の手配を依頼する。式はつつがなく終わったものの、自宅のキッチンで女物のイヤリングを見つけてしまう。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:困った七海は、悩んだ末、再び安室に相談する。だが、安室の調査結果が届く前に、夫の浮気相手の恋人を名乗る男が訪ねてきて、騒ぎにすると七海を脅す。ホテルに呼び出されて身体を求められ、七海は慌てて安室と連絡を取るのだが……というお話。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:…ここまででまだ発射台にも到達してなくてw、易々と別れさせ屋に引っかかって、逆に浮気の嫌疑を掛けられて離婚に追い込まれた七海が、安室に振り廻されるまま流転を重ね、山奥の豪邸にメイドとして辿り着いてからが本番。映画1本分、準備編かよ。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:辿り着いた豪邸には住民がおらず、先輩メイドの真白(Cocco)がいるだけ。だが、流転中のバイトで真白と知り合いとなっていた七海は、彼女に心を許し、ふたりでメイド生活を始める。……そんな感じで、百合百合んなきゃっきゃウフフ展開に(爆 #fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:「どこにでもいそうな今時の女子」をこの幸せな百合百合世界に送り込むために前半で映画1本分の尺を使って、やがてそれを喪失して、喪失をも踏まえた成熟に至る物語……てとこかな。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:ちょっと抜けたとこのある自信不足の女の子が、それくらいのことで、あっという間に世間から居場所を失ってゆく過酷な現実認知の物語を積み上げておいて、このメイド・パートから一気にファンタジーになる。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:いや、一応、スポンサーは設定されてるけど、「あの職業」であそこまでの稼ぎは有り得ないでしょう。別に「株で儲けた」でも良かったろうに、「あの職業」にしたのは「女が稼ぐ(資本主義市場にコミットする)」ことの原罪性を強調したかったのか。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:もうひとつ言及すべきは、狂言廻しの綾野剛で、苦境に追い込まれたヒロインにあれこれ世話を焼きつつ、そもそもその苦境に彼女を追い込んだのもこいつで(爆 ただ、全部クライアントの意向(その都度違う)なので、本人にはまったく悪意はない。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:これは明らかに作家(監督)の代理人で、演出家が女優を苦境に追い込むのは悪意ではなく、上りのフィルムのため。個人としては親切に接しつつ、仕事としては情け容赦はないのと同じということか。ヒロインは気づかずに、最後まで感謝してたが(乾笑 #fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:実際に、ヒロインが最後の「部屋」に辿り着いたのは、彼の導きがあったからであるのは事実なので、「感謝」してもいいのかもしれないが。いやぁ、危うく殺されてるところだったけど、本人気づいてないから、いいのか(良くねえよ)。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:この映画、前半だけだと「ぼーっと生きてると、世界の悪意に簡単に呑み込まれて居場所を失うぞ」という話なんだけど、後半まで通しで観ると「世界に満ちてる悪意のおかげで、人は思いもよらない場所に導かれる」という寓話であることが見えてくる。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:擬似的な婚姻と死を経てそこに辿り着くのも、古典的なフォークロアの類型に則って、物語は力強く熱量を持つ。それは私たち現代人の生きる乾いた冷酷な日常も、残酷ではあっても血肉の通った美しく暖かい世界へと読替え可能なのだとする訴えでもある。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:あと尺の話ですけど。正直、この「ストーリー」を語るのに180分は要らないと思う。でもラストのこの「空気」にたどり着くのに、この尺は必要だったとも思う。実はamazonで配信してるver.では2時間なんだよね。比べて観ても面白いかも。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日
『リップヴァンウィンクルの花嫁』:他にも真白の口にする「幸せの臨界量」の話だとか、序盤の結婚式の多重な茶番構造とか、触れたいポイントは色々あるのだけど、今日はこの辺で。時間は長いけど、そんなに長くは感じない映画なので、ちょっとでも興味をお持ちの方は是非。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年3月27日