【予告編】史上最も危険な映画『DAU. ナターシャ』2月27日(土)公開
本日の映画3本目『DAU. ナターシャ』@アップリンク吉祥寺に劇場入りしました。ウソ。まだ吉祥寺着いてない(爆 旧ソ連の科学実験都市を舞台に、強権的な独裁社会を告発するロシア映画だそうです。今のプーチン政権下で洒落にならない……というか、だからプーチン政権の支持率下がってるのか。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』観終わって帰宅しました。旧ソ連秘密実験都市で妙齢の女性ナターシャが若いウェイトレスと営むレストランには、仕事終わりの科学者や役人、軍人たちが立ち寄る店で、そこそこに繁盛して忙しいが、業後にウェイトレスの娘と賄いの食事をするのが唯一の楽しみだ。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』:食料調達に苦心する旧ソ連の大多数の市民と違い、豊かに食材を浪費することが許され、時には客と呑んで騒ぎ、たまに気のあった客と寝ることもある。それなり上手くいっているような彼女の人生を、しかし彼女自身はこの世の煉獄のように苦しんでいた……というお話。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』:ウェイトレスの娘とは仲良く仕事しているようで、不意に妙に刺々しかったり、下戸の彼女に「酒の呑み方を教えてやる」と執拗に酔い潰そうとしたり、何のこっちゃと思いきや…後半から、旧ソ連の監視社会のシステムが牙を剥き、世界が紛れもなく「煉獄」であると示される。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』:何も信じられない。同僚も客も信じられない。むしろ憎しみの対象でしかない。孤独な夜にひとりで泣き崩れ、世界を呪ってすすり泣き、しかしのろのろと立ち上がって、夜が明ければまた真っ当な大人の振りをして職場に立つ。その「煉獄」までなら、私たちもよく知っている。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』:そこから先、唐突に始まる保安当局者による過酷な尋問シーンが、旧ソ連の監視社会システムが個人の尊厳を徹底的に奪いにかかる嫌らしさを描いていて見事でした。いや、暴力で圧迫するだけでなく、緩急つけて優しく扱ったりしながら、尋問官は相手を支配下に置こうとする。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』:ただこれ、「情報を引き出す」のが目的じゃないんだよね。当局が陥れたい人間がいて、出来上がってるでっち上げのストーリーに、正当性をもたらすために自筆の調書を書かせる。そのための「支配」で、小枝をへし折るようにヒロインの自尊心をへし折ってるだけに過ぎない。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』:勿論、ヒロインはただの小市民でしかないので、抵抗なんかしません。最初から協力的です。でも、まず自尊心をへし折るんだよね。表層的な「協力」なぞ、何の意味も認めていないから。だからへし折ってから、支配を受け入れさせる。公安的思考とは、そういうものです。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』:この映画の最大の凄みは、その先に日常に回帰してゆく下りで、彼女の人生はこういうことを何度も繰り返され、それを受け入れて、なんなら尋問官に媚びるように感謝すら示して綴られてゆく。だから「煉獄」であり、それが終わらない「日常」として続く。おそろしい話です。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』:主な舞台はレストランのフロアと尋問室という、小劇場の舞台演劇にも似た限定シチュエーションのお話。旧ソ連の特殊事情と突き放せないのは、今のロシアにも通じる事情なのと、ある意味、どこの世界、どの時代でも繋がる要素のある映画で、それだけにこわい映画でした。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日
『DAU. ナターシャ』:結局この映画、15年掛かりの企画で、同一世界観で複数のエピソードが描かれるプロジェクトらしく、既に続編もベルリン映画祭出品済み。でもロシア本国では公開禁止!(ですよねー(^^;;)という壮大な実験映画企画の第一弾でこの衝撃。この先、どうなるんだ、この企画……。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年2月28日