『英雄の証明(2022)』@新宿シネマカリテ(22/04/09(sat)鑑賞)
本日の映画1本目『英雄の証明』@新宿シネマカリテに劇場入りしました。拾った金塊を葛藤の末、警察に届けて英雄扱いされた前科者の男が、SNSとメディアに翻弄され……という名匠アスガー・ファルハディー監督によるイラン映画。イラン映画は情緒が日本人と通じてる感があるんだよね。#fr22_n pic.twitter.com/XoW12uHOny
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月9日
『英雄の証明』観終わりました。よかれと思って積んだ善行が、ことごとく逆手になって転落する男の話。カミさんの拾った金貨が廻り廻って元の木阿弥、と書くと落語みたいですが。まあ当人の詰めの甘さもあれど、落し物当人どうしで返却させる制度のザルさにも問題あるような(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月9日
『英雄の証明』:イランの古都シラーズ。借金の返済が滞り、債権者の怒りを買って刑務所に収監されたラヒムは、内縁の妻が拾った金貨を売って返済に充てようとするが、思ったより高く売れなかったために断念。気が変わって警察に届け出たところ、落とし主が現れた。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:ラヒム当人は収監中であるので、実家の義姉を介して落とし主に金貨を返したところ、刑務所長たちが美談として持ち上げてマスコミに連絡する。持ち上げられて、慈善団体を介して債権者との釈放交渉も進みそうだったが、SNSにその美談を疑問視するコメントが上がり…というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:まずイランには、借金の返済が滞ると、債権者の訴えで罪人扱いで逮捕される制度があるんですね。ちょいちょい保釈される権利はあるようで、そんなに重犯罪扱いではないようですが、借金を返すと放免される。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:刑務所に収監されてたら、稼いで返済というわけにもいかないでしょうに、どういう懲罰効果を狙った法律なのか、西側の法概念からはちょっと判りづらいんですが、ともあれ、そういう法律が前提のお話です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:その他にも、このくらいの「ちょっと良い話」であそこまで盛り上がるイラン社会とか、高額な落とし物を警察ではなく拾い主が預かって、拾い主の責任下で落とし主に返還する、という制度とか、西側社会の感覚だと不思議なとこがなくはない(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:ただまあ、ぼやっとした雰囲気で持ち上げておいて、美談として消費し終わると、よってたかって細かなディティールの差異をつついて「偽物」として貶めるのは、日本でだってある話。ネット(に限らないが)イナゴにはただのエサなんだよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:この映画では、主人公の釈放を承服しない債権者が、「あいつは信用できないやつだ」と調停の場で執拗に主張し、その当人によるものかどうか不明なれどSNS上で同じようなコメントが掲載される。それを見たメディアが、事実確認を主人公に要求する。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:ところが、金貨を返還した落とし主に連絡が取れない! そもそも本人が直接対応したわけではないから、非常にふわっとしていて、証明しろといわれてもできない。……商売人上がりの割に、詰めが甘すぎるorz #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:本作の主人公は、商売上の相棒が借金を踏み倒し、その保証人だったので借金を背負う羽目になり、あと債権者が離婚した前妻の父親で、もろもろ人間関係が拗れ倒した挙句の刑務所収監らしい。まあ、生き方が不器用な人です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:それなりにまじめに生きてきたんでしょうが、うっかり死地に踏み込んじゃうことは誰にでもある。当人に油断があったといえばそれまでだけど、起きてしまったらどうにか足掻いて抜け出すしかない。でも、そのために息子を犠牲にできるか、というと……。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:基本的にこのお話は、うっかりものの凡夫が詰んでゆくお話で、そういう意味では最後までどうにもならないんですが、それでも守らなきゃならないものは最後まで守り切ったお父さんのお話だとも言えます。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日
『英雄の証明』:ちょっと日本とは違う仕組みの社会の話ではあるのだけど、それだけによき寓話として機能している気がしますね。前に観たイラン映画でも思いましたけど、情緒的な部分ではやっぱりと日本人と通じているよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月1日