『爆発3秒前』@Amazon Prime(22/05/05(thu)鑑賞)
『爆発3秒前』@Amazon Primeを観終わりました。1967年公開。小林旭&高橋英樹主演で大藪春彦『破壊指令N0・1』が原作。というか、結構原作とは変えているらしく、Wikipediaではモチーフ扱いになっていますが、さて。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月7日
『爆発3秒前』:内務局情報室諜報部の凄腕破壊工作員・矢吹(小林旭)の今回の任務は、戦時中に南方某国より日本軍が略奪し、間もなく返還請求が取り下げられる時価300億円の宝石原石の奪取ないし廃棄。このままでは宝石は元大本営幕僚・高島の手を経て、政界の大物の手に合法的に渡ってしまう。#fr22_n
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『爆発3秒前』:同時にその宝石は国際宝石密輪シンジケートも狙っており、既に高島周辺で秘書たちが次々に拉致・拷問死する事態が発生していた。その両者を出し抜くべく、単独で任務を開始した矢吹だったが、高島の下にはかつての同僚・山脇(高橋英樹)が宝石警備に雇われていた…というお話。#fr22_n
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『爆発3秒前』:大藪春彦作品の映画化というと仲代達也版『野獣死すべし(1959)』の東宝とか、1980年代の松田優作主演の東映セントラルアーツ作品群などがありますが、1960年代に日活でも何本か撮られてるんですね。本作はその中でも後の方の作品。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月7日
『爆発3秒前』:この映画の原作『破壊指令N0・1』は未読ですが、ざっと調べた限り、標的が南方某国の宝石じゃなくて、英国の金塊だったり、ちょこちょこ変更されている模様。まあ何となく、全般にマイルドにされている印象は受けます。#fr22_n
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『爆発3秒前』:それでも全般に女性の扱いが酷く(^^;;、高島の秘書をしている姪の女性は誘拐後、高島一派の潜む拠点を暴くために突き出されてあっさり射殺。しかもその直後に高島一派は拠点を移動してしまうので、まったくの無駄死に。……酷い。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月7日
『爆発3秒前』:主人公の矢吹はそれに積極的に加担することはないんだけど、任務を危機に陥れてまで助けようとはしない。別の女性には事前に忠告はするが、それで助けられるわけでもない。この辺のドライさは大藪春彦らしいけど、微妙にダメージ受けるナイーブさは日活の小林旭キャラ寄りか。#fr22_n
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『爆発3秒前』:で、この主人公の矢吹ですが、まったくのバックアップなしで、シンジケートや敵拠点に単身乗り込んでたりするのが60年代『007』っぽい。あ、ジェームズ・ボンドはクライマックスで英軍の支援呼ぶか。仕事を現場に投げっぱなしなのは日本らしい(?) #fr22_n
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『爆発3秒前』:現場工作員を後方司令部からモニターしてバックアップするスタイルは、『いまそこにある危機(1994)』とか『ボーン・アイデンティティー(2002)』以来なので、60年代的には変じゃない。むしろ渡り鳥の次にプロフェッショナルヒーロー像を日活が模索していた点に注目。#fr22_n
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『爆発3秒前』:主人公の動き的には、シンジケート側に潜入して『血の収穫』よろしく両陣営を煽って戦闘を激化させるのはいかにも大藪春彦だけど、先に触れたように非情の外道っぷりが大藪キャラよりだいぶマイルドなのは、小林旭にそんな酷いことさせられないってところかな。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月7日
『爆発3秒前』:それでもビル街を屋上伝いに逃げるシーンとか、アクションの身体性にクローズアップして描くあたりとかは、これより少し前の日活アクションでは見られなかった点です。まあ、邦画アクションにこの身体性の重視が本格的に定着するのは、東映の千葉真一アクション以降ですが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月7日
『爆発3秒前』:作中ではみんなカジュアルに銃をぶっ放すんですが(^^;;、剥き身のライフルとか担いだシンジケートの兵隊が、トラックの荷台満載で出撃するシーンとか、銃刀法とか武器準備集合罪とか頭をかすめますが、そういうつまらない発想が日本のアクション映画をダメにするのだ!<暴言 #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月7日
『爆発3秒前』:クライマックスではヘリが2台も出てきて、敵の拠点ごと大爆発。更に戦時中に日本軍が築城した海底基地が吹っ飛び、海水が流入して海の藻屑。この時代のアクション映画としてはダイナミック。まあ、爆発3秒前には何も起きずにそのまま吹っ飛ぶのは何なんだとは思いましたが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月7日
『爆発3秒前』:ラスト、恋人を死なせて「もうこの仕事辞めますわ」と去ってゆく山脇を見て、自分も上司に辞表を出す主人公。だが、「辞めれるわけないだろ。弱音吐くな」と突っ返され、海を見ながら辞表を破る主人公。……大藪春彦キャラって、こんなにナイーブだったっけ?(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月7日
『爆発3秒前』:日活の大藪春彦原作映画は、宍戸錠主演でハードな奴からライトな作風までいろいろありますが、これは小林旭の日活ヒーロー像に寄せた作風でしたね。大藪春彦作品をどう映画に定着させるかの挑戦は、この後、70年代の藤岡弘、80年代の松田優作に引き継がれてゆくわけですが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月7日