『大河への道』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(22/05/26(thu)鑑賞)
本日の映画『大河への道』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。中井貴一&松山ケンイチ主演。立川志の輔の新作落語『大河への道 伊能忠敬物語』を映画化。大河ドラマで町おこしの現代劇と再現ドラマの時代劇のハイブリッド。松竹は時代劇を遺すために、本当に色々考えてくるな。#fr22_n pic.twitter.com/qeMGt7U3Cg
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月26日
『大河への道』観終わりました。巨大な師・伊能忠敬の死後、遺された弟子や幕府方担当官の凡人たちが、師の偉業を完成させるため、その死を3年隠して奔走するお話。生々しいリアルポリティクスの駆け引きより人情噺寄りなのは、落語原作なので(^^;; 日本人にはこっちの方が親しみ易いかな。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月26日
『大河への道』:町おこしの企画プレゼンの場で、地元の偉人・伊能忠敬の大河ドラマをやれば、とうっかり口にしてしまった千葉県香取市市役所の総務課長・池本(中井貴一)は、プレゼン用のスクリプトを作ってもらおうと、地元の脚本家・加藤(橋爪功)の下を訪ねる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:ところが、当の脚本家は気乗りせず、池本は地元の伊能忠敬ゆかりの地や博物館に連れ廻した結果、ようやく何やら着想を得たらしく、しばらくして役所との打ち合わせの場で、大河ドラマのスクリプトの代わりにとある話を披露する。それは伊能忠敬の死後の物語……。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:1818年、17年にも及ぶ測量の日々の末、伊能忠敬は日本初の実測地図「大日本沿海輿地全図」(伊能図)の完成を見ずして死去。しかし、このことが露見すれば、地図作成プロジェクトへの幕府の公金投入が断たれると恐れた弟子たちは、その死を隠すことに。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:そこでさっそく捲き込まれたのが、幕府方の担当者である高橋景保(中井貴一)。伊能家への借財をかたに、それから3年間、地図完成の日まで、伊能忠敬の弟子たちとともに幕府勘定方を騙し抜くことになる……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:「大日本沿海輿地全図」の完成が伊能忠敬の死後であることは知る人ぞ知る話で、特に新発見の話でもなく、そこに隠蔽工作が本当にあったかどうかはちょっとよく判らない。さすがに具体的な成果物もなしで、3年間も公金支出続けられるとも思えないけど(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:隠蔽工作があったとすれば、地図作成プロジェクトに幕閣内で賛否があり、プロジェクト推進派の支持基盤が意外に弱かったのか。まあ、普通に考えれば、高精度の地図があれば、国防や内政などの行政の精度を格段に引き上げるので、幕府として邪魔をする理由はありませんが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:本当はこの地図作りの周辺は結構きな臭くて、伊能忠敬から北海道の測量を委託された間宮林蔵は幕府の探索方(エージェント)として、対露だけでなく松前藩のアイヌ支配の実態なども調査していたはずだし、後にシーボルトが伊能図を国外に持ち出そうとした時には、死人も出てる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:地図とは、それだけ生々しく現実の政治や経済と結びついている存在であり、やろうと思えばハードボイルドな謀略もの(エスピオナージュ)にもできそうな題材ですが、今回はそういうのじゃないです(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:原作が落語なので、偉大な師の死後、遺された凡人たちが小人なりの浅知恵で右往左往するおかしみと、そこに見え隠れする一分の意地と侠気を描く人情噺に落とし込まれています。そこに地方公務員のオジサンの可愛らしい現代劇が二重写しになる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:その現代劇パートと時代劇パートのそれぞれで、中井貴一がわちゃわちゃした小役人の軽みと、時代劇らしい想い入れたっぷりの芝居のどちらも演じ分けてて、さすがの貫禄。落語の与太郎的な立ち廻りの松山ケンイチも軽やかなボケツッコミが楽しかったです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日
『大河への道』:本作は『武士の家計簿(2010)』以降、松竹が地道に積み重ねてきたチャンバラに頼らない、経済・行政ネタ時代劇の最新作で、今後も色々なアプローチでちょっと変わった時代劇を模索してくれるのでしょう。次はどんな「時代劇」を見せてくれるのかな。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月27日