『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』@新宿ピカデリー(19/09/29(sun)鑑賞)
※上記のリンクは短縮版。
本日の映画2本目『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』@新宿ピカデリーに劇場入りしました。1968年公開。マカロニ・ウエスタンの巨匠セルジオ・レオーネが荒々しい大西部を丸ごと描く勢いで語る女主人公の暴力叙事詩。米国では受け入れられなかったそうだけど、そりゃな(^^;; #fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 29, 2019
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』観終わりました。これは「今でも通用する半世紀前の作品」じゃなくて「半世紀早かった」方だなあ。いや、やってることはマカロニ・ウエスタンのスタイルや美学を忠実に磨き抜いてるだけなんだけど、それで歴史や文学の領域に踏込むという。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 29, 2019
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:冒頭、いかにも訳あり男3人が寂れた駅を占拠して、ひたすら無言で何かを待つ。そこから始まって、「事」が起きるまでの「予兆」と、起きてからの「余韻」にたっぷりと尺をかけて緊張を極限まで高めるスタイルを全編徹底しているのね。#fr19_n
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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:音響効果もフルに作り込んで、物語上で発生している暴力描写で、音だけで観客に想像だけさせて「絵」がないシーンが結構あるんじゃないかな。その意味でJホラーとも通じる…というかこっちが先だけど。本来低予算映画の手法ですけどね。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 29, 2019
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:まあだからと言って、大作映画に使ってはいけない道理はないのだけど、ここまで徹底して駆使してくるのは予想できなかった(^^;; ストーリーを追うだけなら、この辺ばっさりカットできるんだろうけど、それをやったら全然別の映画になる。#fr19_n
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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:物語の構造としては、冒頭から既に示唆されているように、西部に鉄道と電信が到達し、産業構造…富の在り様が劇的に変わり、それが西部の無法者たちを誘き寄せ、惨劇が起こる。しかし無法者が無法者でいられる時代も終わろうとしている。#fr19_n
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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:そんな時代に、都会(ニューオリンズ)から荒野に住む一家にお嫁入りするために鉄道でやってきたヒロインが、婚家に着いてみれば、一家は幼子に至るまで斬殺されていて、嫁入り後の最初の仕事が家族の埋葬という地獄(-o-;; #fr19_n
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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:とは言うものの、別にヒロイン自身が銃を手に戦うわけではないのね(^^;; 可哀想ではあるけど殺された家族とは面識はないし、そもそも大金持ちだと聞かされきた婚家には、小銭もろくにない。二束三文の土地家屋しか残されていない。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 29, 2019
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:女一匹で見知らぬ大西部に放り出された身としては、サバイバルを優先せざるを得ない。その意味で、妙に生命の軽い西部の男たちをちょっと距離を於いて眺めてる外部の「他者」の目線代表で、主人公はどちらかというと謎のハモニカ男の方。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年9月29日
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:チャールズ・ブロンソン演じるこの男は、ハーモニカを吹きながら出てくる。のっけからケレンが強い(^^;; この男、何やら誰かへの復讐を目的としているらしいのだが、神出鬼没で余計なことは喋らないので何を考えてるのかよく判らない。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) September 29, 2019
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:この男の持ち歩いてるハーモニカの意味が判るのは、ラストもラスト、これまた地獄のような由来だったというね(爆 人生至る所に地獄あり。その意味で、出てくる男どもの面構えが、どいつもこいつも辛酸を舐め切ったような良い面構えで。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年9月29日
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:ちょっと皮肉な言い方をすれば、スタイリッシュでケレンが効きすぎてるので、公開時のハリウッドでは、この作品の文学性とか歴史性は受け入れられなかったのかもしれない。今だとそういう様式美を前面に押し出す文芸作品も多いのだけど。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年9月29日
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:大西部の広大な空間と歴史の中で、価値観が揺らぐまさにその特異点的な舞台を見出して、「無法者たちの黄昏」を描く高度に知的な着眼点が、ジャンク映画と蔑まれたマカロニ・ウエスタンから出てきたとは、当時こそ受け入れ難かったろう。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年9月29日
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:無法者たちの時代が終わる。それは暴力なき時代が来るのではなく、資本家の論理に無法者たちが組み込まれて使役される時代に移行することで、なればせめて無法者として死ね、と。ハモニカ男はそうやって、宿敵を無法者に引きずり下ろす。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年9月29日
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』:最後までマカロニ・ウエスタンの美学とスタイルとケレンを貫き通し、それ故に時代を超越してしまった稀有な作品です。私たちはやっとこの作品を理解できるところまで追いついた。是非、劇場でその事実を噛み締めて欲しい映画です。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年9月29日
■監督フィルモグラフィ:セルジオ・レオーネ(1929年~1989年)
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